🤝 療育・支援サービス セルフプランの書き方と記入例|障害児支援利用計画を自分で書くときの流れとコツ
この記事の目次
窓口で受給者証の申請をしたら、最後にもう一枚、用紙を渡された。「障害児支援利用計画案は、セルフプランでも大丈夫ですよ」と言われて、その場では「はい」とだけ答えた。家に帰って開いてみたら、見たこともない欄がいくつも並んでいる——。今夜、その用紙を前にして検索し、ここにたどり着いた方へ書きます。
先に結論をお伝えします。セルフプランとは、児童発達支援や放課後等デイサービスを使うために必要な障害児支援利用計画案を、保護者自身が書いて出す方法です。相談支援専門員が作った計画と扱いは同じで、これで手続きは前に進みます。文章のうまさは関係ありません。この記事では、なぜセルフプランをすすめられるのか、欄ごとに何を書けばいいか、書くときのコツと落とし穴、提出後の流れ、途中で相談支援事業所に切り替える方法までを順番にまとめます。
セルフプランとは?計画案を保護者自身が書く方法
児童発達支援や放課後等デイサービスを使うには、市区町村に申請して受給者証を交付してもらう必要があります。その申請とセットで求められるのが障害児支援利用計画案です。北九州市は、法律の改正によって2015年4月から、新規と更新の手続きのときにこの計画案の提出が必要になったと案内しています。
この計画案は、ふつうは相談支援事業所の相談支援専門員が作ります。それを保護者や本人が自分で作る形を、一般にセルフプランと呼びます。呼び名は自治体によって少しずつ違いますが、役割は同じです。
ここは誤解されやすいので、はっきり書きます。セルフプランは簡易版でも格下の書類でもありません。どちらで出しても、受給者証の交付に向けた手続きは同じように進みます。受給者証そのもののしくみは受給者証と療育手帳の違いで整理しています。
なぜ「セルフプランでいいですよ」と言われるのか
言われた瞬間、「そこまで手をかけてもらえないということ?」と感じた方もいると思います。多くの場合、理由は事務の都合ではなく、地域に相談支援事業所が足りていないことにあります。
富山市は、セルフプランで出す場合として、身近な地域に障害児相談支援事業所がないときと、保護者が希望するときの2つを挙げています。北九州市も、相談支援事業所が見つからない場合や本人が希望する場合に、本人や家族が作る計画で代えられると説明しています。つまり「事業所の空きがないので、待たずに進める道を用意しています」という案内です。子どもの状態が軽く見られたわけでも、保護者が信用されていないわけでもありません。
💡 うまく書けなくても大丈夫です
計画案は作文ではありません。子どもの様子と、通いたい回数と、してほしい配慮が伝われば十分です。書けない欄があれば空欄のまま窓口に持って行き、そこで一緒に埋めてもらって構いません。
セルフプランと相談支援事業所、何が違う?
費用はどちらも保護者の持ち出しがありません。北九州市は、相談支援事業所に作ってもらう場合の作成料について利用者負担はないと案内しています。相模原市は、専門員以外が作った計画には市から作成者への報酬が支払われないと説明しています。お金の面で迷う必要はない、ということです。
はっきり違うのは、作ったあとの伴走があるかどうかです。
📝 セルフプラン
- 保護者が自分のペースで書ける
- 事業所の空きを待たずに申請できる
- 事業所との連絡調整は自分で行う
- 定期的な見直しの面談はない
- 費用の負担なし
🤝 相談支援事業所に頼む
- 相談支援専門員が面談して作る
- 通い先の候補を一緒に探してもらえる
- 事業所との連絡調整をしてもらえる
- 定期的な見直し(モニタリング)がある
- 費用の負担なし
富山市は、セルフプランの場合はサービス提供事業者との調整や定期的な見直しは行われないと明記しています。裏を返せば、通い先を自分で探して連絡する手間は増えるけれど、書類そのものは自分の言葉で書けるということです。そして、あとから相談支援事業所に切り替えることもできます。ここは最後の見出しで詳しく書きます。
セルフプランの書き方|欄ごとの記入例
様式は自治体ごとに違います。チェックを付けていく形の用紙を用意している市もあれば、白紙に近い記入式の用紙を配る市もあります。北九州市はチェック式と記入式の2種類に加えて記入例も配っていて、相模原市は障害児通所支援を含む6種類の記入例を用意しています。様式も欄の名前も見直されることがあるので、2026年時点の最新の用紙と記入例を、窓口か市区町村のサイトで手元にそろえてから書き始めてください。
用紙が違っても、聞かれることはだいたい共通しています。下の表は、その共通する欄と、そこに何を書けばいいかをまとめたものです。右の列はサイト側で作った言い回しの例なので、そのまま写すのではなく、自分の子どもの様子に置き換えて使ってください。
| 欄の名前 | 書くこと | こう書けば伝わります |
|---|---|---|
| 利用者及びその家族の意向(希望する生活) | 子ども本人の願いと、家族の願いを分けて書く | 本人:友だちと一緒に遊べるようになりたい。母:困ったときに大人へ助けを求められるようになってほしい |
| 総合的な援助の方針 | どうなりたいかと、そのために何を大事にするか | 少人数の場で成功する経験を重ね、園と家庭で声のかけ方をそろえて、集団の活動に参加できる時間を延ばす |
| 解決すべき課題 | 困っている場面を、時間や場所とセットで書く | 活動の切り替えのときに気持ちが崩れ、教室を出てしまうことがある。着替えに時間がかかる |
| サービスの種類・内容・量 | 使いたいサービス名と、週に何回・1回何時間か | 児童発達支援 週3回(月・水・金) 1回2時間程度 |
| 留意事項 | 事業所に先に知っておいてほしいこと | 大きな音が苦手。落ち着かないときは声をかけずに待ってほしい。送迎は母。アレルギーは卵 |
書きにくいのは「意向」と「方針」の2つだと思います。うまい表現を探さなくて大丈夫です。意向の欄には、家で口に出している願いをそのまま書けば通ります。方針の欄が浮かばないときは、意向の欄に書いたことを「そのために、こういう場を使いたい」とつなげるだけで形になります。
書くときのコツと、つまずきやすいところ
最初に、いちばん後悔しやすい点から書きます。希望する利用回数は、遠慮して少なめに書かないでください。計画案に書いた回数が、そのまま受給量の目安として扱われることが多いためです。週2回と書いて出すと、あとで週3回に増やしたくなったときに、計画案から出し直す手間が生まれます。迷ったら多めの回数で申請して、実際に通う回数はあとから調整するほうが動きやすくなります。
残りのコツを4つ並べます。
- できないことだけでなく、好きなことと得意なことも書く。電車の名前を覚えるのが速い、絵を描くと集中が続く。事業所はそこを手がかりに関わり方を組み立てます
- 困りごとは場面で書く。「多動」ではなく「朝の会の15分のあいだ、座っていられずに立ち歩く」。同じ内容でも、後者のほうが支援の中身が決まります
- 箇条書きで構いません。文章にまとめようとして手が止まるくらいなら、単語を並べて出すほうが早く進みます
- 書けない欄は空欄のまま持って行く。窓口の職員も記入例を見慣れています。全部埋めてから行かなければいけない決まりはありません
親としての反省を書く欄ではない、という点も添えておきます。「私の関わり方が悪くて」と書き足したくなったら、その分を子どもの様子の描写に回してください。
提出したあとの流れと、途中で切り替えたいとき
計画案を出したら、あとは市区町村が判断します。手続きの全体像はこの順番です。
通い先を自分で探すのがセルフプランのいちばんの負担です。見学のときに何を見ればいいかは放課後等デイサービスの選び方チェックリストに、事業所とセンターの違いは児童発達支援センターと事業所の違いにまとめました。
そして、ここが今夜いちばん覚えて帰ってほしいところです。セルフプランで始めても、あとから相談支援事業所に切り替えられます。年度の途中でも構いません。地域に空きが出たとき、きょうだいの通院が重なって手が回らなくなったとき、通う回数を増やしたいとき。障害福祉の窓口に「相談支援事業所にお願いしたい」と伝えれば、空いている事業所を探すところから相談に乗ってもらえます。一度セルフプランを選んだら、ずっと自分で抱え続ける決まりはありません。
更新のときも、一から書き直す必要はありません。前回の控えをコピーして、変わったところだけ直せば足ります。今回書いた1枚は、来年の自分をラクにする下書きにもなります。
まとめ
- セルフプランは、受給者証の申請に必要な障害児支援利用計画案を保護者自身が書く方法です。相談支援専門員が作った計画と扱いは同じです
- すすめられる理由の多くは、地域に相談支援事業所の空きがないことです。子どもや家庭が軽く見られたわけではありません
- 費用はどちらの方法でもかかりません。違いは、事業所との連絡調整と定期的な見直しがあるかどうかです
- 様式は自治体ごとに違いますが、聞かれるのは意向・方針・課題・サービスの量・留意事項の5点が中心です。希望する回数は少なめに書かないでください
- 提出後は、面談から支給決定、受給者証の交付、事業所との契約へ進みます。途中から相談支援事業所に切り替えることもできます
今夜はここまでで大丈夫です。明日、用紙のいちばん上にある意向の欄だけ、子どもの願いを一行書いてみてください。残りの欄は、そのあとで埋まります。
よくある質問
セルフプランを出すと、サービスが受けにくくなりますか?
計画を誰が書いたかで支給決定が不利になる仕組みはありません。北九州市は、相談支援事業所が見つからない場合や本人が希望する場合に、本人や家族が作るセルフプランで代えられると案内しています。ただし書いた回数がそのまま上限になりやすいので、希望する回数は少なめに書かないでください。
セルフプランを書くのにお金はかかりますか?
保護者の持ち出しはありません。相談支援事業所に頼んだ場合も無料で、北九州市は作成料について利用者負担はないと案内しています。セルフプランの場合は、相模原市が説明しているように市から作成者へ報酬が支払われないだけで、保護者が費用を求められることはありません。
きょうだいがいる場合、計画案は一人ずつ必要ですか?
サービスを使う子ども一人につき1枚が基本です。受給者証も子どもごとに交付されるためです。内容が似ていても、それぞれの様子と希望する回数を分けて書いてください。書式は同じものを使えるので、2枚目は1枚目をもとに書き直すと負担が減ります。
更新のときも、また一から書き直すのですか?
多くの場合、前回の計画案をもとに変わったところだけ直せば足ります。手元に控えを残しておくと、更新の時期に写して使えます。1年のあいだに通う回数や困る場面が変わっていれば、そこだけ書き換えて出し直す形になります。様式が改まっている年もあるので、窓口で最新の用紙を確認してください。